写真用フィルムが普及する以前から使われていた乾板です。
柔らかいフィルムではなく、ガラスの板をベースとしています。

乾板

当館では創業から昭和30年代頃まで使っていましたが、
昭和40年頃を境に、全面的にフィルムに移行したようです。

当時、祖父はこれを木製のホルダーに入れて、
カメラ、三脚等と共に自転車に積み、撮影地に出向いていたとの事。
一枚手に取るたびに、汗をかく祖父の姿が思い浮かび、
当時の風景に思いを馳せます。

戦時中、防空壕に持ち込んだ際に大半が湿気で駄目になり、
さらに地震や事故で割れた乾板も少なくないため、
現存するものは数百枚に留まります。

祖父の思いと変わらぬ価値を伝える、当館の原点です。