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以前から、何かの研修で耳にしたエンパワーメントという言葉が気になっていました。エンパワーはその動詞で、~に力を与える、(人に)自信を持たせる、(人を)力づける、というような意味を持つそうです。

今回のブログのタイトルの「empower to live」は、一枚の写真が生きる力となるような存在であってほしいなあという願いを込めて考えました。

私たち写真館の仕事は、物理的には写真・写真データもしくはアルバムをお渡しするという仕事です。しかしながら、その受け取った一枚の写真の持つ意味は、お客さまお一人お一人違うのだろうなとお客様とお話しする中で日々感じています。

今回は生前遺影の場合を考えてみます。前もって生きている間に写真撮影をして、ご自分の遺影写真を準備しておくという考えが日本に浸透してきているようで、近年生前遺影撮影に来られる方が増えています。当店では、70才~90才代くらいの方が多い印象です。

でも、、、生前遺影の写真の場合、亡くなる準備なんだから「EMPOWER TO LIVE」 って何?違和感ありあり?

人生の最終章、準備することはたくさんある中で、写真はその一部でありましょう。しかし、遺影写真はご自分の写真の中でも最も多くの人がご覧になるであろう一枚の写真なのです。

人生の締めくくりの写真の準備をしようと決意して、撮影に来られるという行為は、自分の人生に最後まで責任を持つというとてもポジティブな人生への向き合い方だと思います。おそらく多くの方は、家族が困らないようにとの配慮ではないかとも思います。そして写真を手にした時、一抹の安心感・満足感を感じられることでしょう。それもこれも、人生が終わるまで前向きに生きていることととらえることもできます。

また、亡き夫の写真に毎日語り掛けてるとおっしゃっていた女性の方もいらっしゃったけど、残されたご家族も、写真を見ることで亡くなった方を身近に感じられるよう、そして前向きに生きていけるようなそんな力になるような一枚であってほしいなあと思うのであります。

希望的視点でした。

真奈美