投稿者「Hiro」のアーカイブ

Hiro について

1972年生まれ。 岩手県大船渡市盛町にある佐藤写真館のカメラマン。 家業の写真館を経営する傍らで、 スタジオに保存されているガラス乾板のスキャン・原版保存がもっぱらの課題。 スナップ写真で一息入れながら、 試行錯誤の日々をほのぼの綴ってまいります。

当館で所有している乾板やフィルムのうち、
特に昭和初期から中期にかけて撮影されたものの中には
保存状態が良くないため劣化(カビ、乳剤面の剥離等)が進んでいるものが少なくありません。

このため、原版そのものの保存と並行して
原版をデジタル化し保存する作業をここ数年来進めてきました。
震災後の混乱もあって作業を中断していましたが、
ようやく作業を再開しました。

ガラス製のネガをデジタル化するのに最も適した方法は何か?
密着プリントを作成しスキャンする、
ライトボックスに乗せて撮影する、などの方法も考えましたが、
得られる画像データの質と作業性を考えて、
フラットベッドスキャナーの透過原稿ユニットを使用して取り込む形に落ち着きました。

ホルダー

 

透過原稿をスキャンする際に重要なのがピントで、
これが合っていないと鮮明な画像は得られません。

現在使用しているスキャナー(EPSON GT-X970)のピント面を調べてみたところ、
ガラス面から約3mmのところにありましたので、
厚さ3mmのケントボードを切り抜いて簡易ホルダーを作ってみました。
幅を細く(10mm)したのは、
乾板の自重でケントボードのたわみを抑えるための苦肉の策でもあります。。。
(中央の断面とガラスに接する面は、黒マジックで塗りつぶしてあります。)

このスキャナーにはフィルムエリアガイドを使用するモードと
フィルムホルダーを使用するモードがあり、それぞれに使用するレンズも異なります。
当初はフィルムエリアガイドの方でスキャンしていましたが、
スキャンした画像を比較すると、
フィルムホルダーを使用する方が解像感が高く、以後こちらを使用することにしました。

ケント紙をかぶせたところ
乾板の乳剤面を下向きにしてホルダーの上に乗せます。
その上から、原版よりも一回り大きく切り抜いた黒ケント紙を被せて
ホルダーの周囲を遮光します。

キャビネ判の乾板を16bitグレー、2400dpiでスキャンすると、
約7分間のスキャンで約290MBのファイルが出来上がります。

一枚を取り込むのに時間と手間がかかることや、
原版の数が多いこともあって、
この作業は当分の間続きそうです。

こうして取り込んだ画像は、
その一部をプリントして館内展示しておりますので、
お近くにお越しの際にでもご覧いただければ幸いです。


 

 

一本松と皆既月食

2015年4月4日

陸前高田市の一本松からも、皆既月食が見られました。

月がゆっくりと欠けていく時間の中で、雲の流れがありました。

完全な皆既月食の時には空が真っ暗となり、月の光の強さを感じました。

真奈美


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東京都練馬区にある日本大学藝術学部江古田キャンパスです。
日本写真館協会様主催の「プロフェッショナル・フォトゼミナール2015」に参加するため
卒業以来20年ぶりに訪れました。

平成22年に完成した新校舎はとても開放的で
鉄柵に囲まれていた旧校舎とは大分雰囲気が変わっていましたが、
学食で食べたカレーの味は昔のままでしたね。

在籍していた当時はカラー・白黒ともにフィルムの全盛期で、
4年間、スタジオも暗室も目一杯使わせて頂きました。

お世話になった先生の姿もありましたので
声をかけようかとも思いましたが、
ご多忙の様でしたので控えることにしました。
お元気そうで何よりです。

時の経過をしみじみ感じた一日でした。


写真用フィルムが普及する以前から使われていた乾板です。
柔らかいフィルムではなく、ガラスの板をベースとしています。

乾板

当館では創業から昭和30年代頃まで使っていましたが、
昭和40年頃を境に、全面的にフィルムに移行したようです。

当時、祖父はこれを木製のホルダーに入れて、
カメラ、三脚等と共に自転車に積み、撮影地に出向いていたとの事。
一枚手に取るたびに、汗をかく祖父の姿が思い浮かび、
当時の風景に思いを馳せます。

戦時中、防空壕に持ち込んだ際に大半が湿気で駄目になり、
さらに地震や事故で割れた乾板も少なくないため、
現存するものは数百枚に留まります。

祖父の思いと変わらぬ価値を伝える、当館の原点です。


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花巻市の早池峰観光ぶどう園にて。

柔らかい木漏れ日を浴びながら、

ブドウを摘んできました。

ピークは9月中旬とのことで、採れる品種も限られていましたが

その分熟した、甘いブドウを堪能できます。

ほどほどに汗をかいて、ほのぼの楽しめる、

この季節のおすすめスポットです。

真奈美


陸前高田市気仙町にて。

かつての美しい景色へ向かって、まっすぐに伸びる架け橋。

 

冷たい空気、照らす光。

冷たい空気、照らす光。

 


三陸復興国立公園・碁石海岸の大浜にて。

碁石海岸の中程に位置する、小さな入江です。
実は今まで降りたことがなく、どんな所なのか興味津々でした。

浜はお馴染みの丸石で、文字通りの碁石海岸。
穴通し磯?に似た岩もあったりして
手軽に散策するにはちょうど良いところですね。

 

文字通りの碁石。

文字通りの碁石。


佐藤写真館のHPにひっそりと掲載している「思い出の記」。

このエッセイは20数年前、私の祖父が地元紙(東海新報)に投稿し掲載されていたもので、
祖父自身はいずれ、一冊の本として出版するべく準備を進めていたようです。

あの時代(大正)に写真を志し奔走した日々、気仙地方への思い、古きよき街並みの情景などが
鮮明に記された内容は、必ず共感を持って御覧いただけるものと確信し、
どなたでもご覧になれるよう、出版ではなくHPに掲載する形で公開させていただきました。

掲載当初から度々お問い合わせを頂きましたが、
その中に、「写真を掲載してほしい」というご要望が何度かありました。
ご指摘の通り、もともと写真掲載ありきで書かれた内容ですので、
文章だけでは伝わらない部分も多くあります。

これにつきましては今後、著作権の表記など準備を整えた上で、
可能な限り写真を掲載し、内容を充実させていきたいと考えております。


岩手山嶺の紅葉には間に合わず、 丸裸になった樹木にみぞれが吹き付けていました。

県南の方も、そう遠くなく冬が訪れそうです。

あっという間に通り過ぎた光のコントラスト。

あっという間に通り過ぎた光のコントラスト。