2015年4月16日
猪川町の立根川沿いの桜並木。夕暮れ散歩。
今年の開花時期は早かったけれど、
肌寒いのはおなじだね。
あたりまえだけど。
真奈美
当館で所有している乾板やフィルムのうち、
特に昭和初期から中期にかけて撮影されたものの中には
保存状態が良くないため劣化(カビ、乳剤面の剥離等)が進んでいるものが少なくありません。
このため、原版そのものの保存と並行して
原版をデジタル化し保存する作業をここ数年来進めてきました。
震災後の混乱もあって作業を中断していましたが、
ようやく作業を再開しました。
ガラス製のネガをデジタル化するのに最も適した方法は何か?
密着プリントを作成しスキャンする、
ライトボックスに乗せて撮影する、などの方法も考えましたが、
得られる画像データの質と作業性を考えて、
フラットベッドスキャナーの透過原稿ユニットを使用して取り込む形に落ち着きました。
透過原稿をスキャンする際に重要なのがピントで、
これが合っていないと鮮明な画像は得られません。
現在使用しているスキャナー(EPSON GT-X970)のピント面を調べてみたところ、
ガラス面から約3mmのところにありましたので、
厚さ3mmのケントボードを切り抜いて簡易ホルダーを作ってみました。
幅を細く(10mm)したのは、
乾板の自重でケントボードのたわみを抑えるための苦肉の策でもあります。。。
(中央の断面とガラスに接する面は、黒マジックで塗りつぶしてあります。)
このスキャナーにはフィルムエリアガイドを使用するモードと
フィルムホルダーを使用するモードがあり、それぞれに使用するレンズも異なります。
当初はフィルムエリアガイドの方でスキャンしていましたが、
スキャンした画像を比較すると、
フィルムホルダーを使用する方が解像感が高く、以後こちらを使用することにしました。

乾板の乳剤面を下向きにしてホルダーの上に乗せます。
その上から、原版よりも一回り大きく切り抜いた黒ケント紙を被せて
ホルダーの周囲を遮光します。
キャビネ判の乾板を16bitグレー、2400dpiでスキャンすると、
約7分間のスキャンで約290MBのファイルが出来上がります。
一枚を取り込むのに時間と手間がかかることや、
原版の数が多いこともあって、
この作業は当分の間続きそうです。
こうして取り込んだ画像は、
その一部をプリントして館内展示しておりますので、
お近くにお越しの際にでもご覧いただければ幸いです。
東京都練馬区にある日本大学藝術学部江古田キャンパスです。
日本写真館協会様主催の「プロフェッショナル・フォトゼミナール2015」に参加するため
卒業以来20年ぶりに訪れました。
平成22年に完成した新校舎はとても開放的で
鉄柵に囲まれていた旧校舎とは大分雰囲気が変わっていましたが、
学食で食べたカレーの味は昔のままでしたね。
在籍していた当時はカラー・白黒ともにフィルムの全盛期で、
4年間、スタジオも暗室も目一杯使わせて頂きました。
お世話になった先生の姿もありましたので
声をかけようかとも思いましたが、
ご多忙の様でしたので控えることにしました。
お元気そうで何よりです。
時の経過をしみじみ感じた一日でした。
写真用フィルムが普及する以前から使われていた乾板です。
柔らかいフィルムではなく、ガラスの板をベースとしています。
当館では創業から昭和30年代頃まで使っていましたが、
昭和40年頃を境に、全面的にフィルムに移行したようです。
当時、祖父はこれを木製のホルダーに入れて、
カメラ、三脚等と共に自転車に積み、撮影地に出向いていたとの事。
一枚手に取るたびに、汗をかく祖父の姿が思い浮かび、
当時の風景に思いを馳せます。
戦時中、防空壕に持ち込んだ際に大半が湿気で駄目になり、
さらに地震や事故で割れた乾板も少なくないため、
現存するものは数百枚に留まります。
祖父の思いと変わらぬ価値を伝える、当館の原点です。