佐藤写真館

柿とイチジク

昭和63年12月21日

あちこちから柿の話が聞こえて来た。昨年は豊作だったが、今年は冷害をまともに受けて農家はがっかりしているようだ。暴力は追放できるが自然の猛威は手の打ちようがなく、春からの努力も、農作物の被害も甚大だ。農家の皆さんに慰めの言葉も出ない。

須川旅行の道中、車窓からの観察だと、沿岸と川筋の柿の結実はほとんど皆無に等しいが、陸前高田市の矢作町は平年作を保持したようだ。

大船渡市内でも盛川筋は三分作にも満たないようだ。昨年お伺いしてお世話になった小通の新沼一さんに電話して柿の作柄をお開きしたら、小通部落はまずまずの実なりとのことで、他人ごとながら安堵の思いだ。

淋しい柿の木

「春来る鬼」の映画の撮影が最終とのことで、三陸町観光協会の依頼で記念撮影に行く途中、赤崎と綾里間の道すがら眺めたが、沿道からみる限り、柿の木の淋しさが目についた。甚だしいのは、、皆無の木もあり、海岸地方だけ冷害が著しいようだ。日照と、ヤマセの関係が収穫の有無を左右するようで、今年のような異常気象では植樹する際などは地域の地形等も考えなければならない。

行っては見ないからわからないが、北東風の吹き込まない三陸町吉浜大野部落は平年作に近い収穫が得られるだろうと思う。釜石では柿市の報道も開いたが、釜石の甲子と矢作の地形は南面の土地で、ヤマセの被害を最小限にくいとめる共通の所のように思う。

専門家でもないのに、見た目そのままに書くので参考にもなるまいが、私の大事な一本の柿の木は今年豊作で、昨年よりも実なりがよいようだ。全部枝まで折り取って、努定を兼ね軒下に吊し、熟し柿にしてお正月から春まで楽しむことにする。

やっとイチジクの話になるが、私のちょっとしたアドバイスをー。

イチジクの巨木

我が家には二十年になる柿と並んで、イチジクの巨木がある。今年の冷害も知らぬ顔で豊作であった。毎年、十貫匁ぐらいはなる。家にある木は何の種類なのか、実はリンゴぐらいの大きさになる。味もよく、隣近所にも分けてあげて喜んでもらっている。

収穫時期は柿よりひと足早く、初秋から晩秋まで熟した分だけをもぎ取る。惜しいかな長期保存ができない。生食を好む人も多いが、私は砂糖(ザラメ)でジャムを作るように煮つめて食べる。アメ色になるまで時間をかけて気ながに弱火で煮つめるのだが、必ず最初から煮あがるまでは水を入れてはならない。

栽培の方法

次に栽培方法だが、樹型が横にとび出るので土地が無駄になり、下草が日陰になり農家には嫌われものの一つだが、植えつけてから直幹に仕立て二メートル以上で枝を張らせるが、南面の枝は木の下の日照を妨げるので早いうちに剪定すること。撃定をすると根元からも蘖(ひこばえ)がどんどん出るので、これもきること。生長の早いものなので苗木は挿し木で百発百中発根する。

種類をよく見分けて植えつけると、三年ぐらいで結実する。以前にイチジクを植えた場所には必ず植えてはいけない。以前の根を完全に掘り除かなければ新苗の生育が悪いのだ。乾燥地を適地として畑の角や傾はん、薮などの利用で植樹をお奨めしたい。

近年は市場に並べられ販売されるようにもなったようで、農家の方の雑収入の一つにと思うのです。柿と同様に充分に肥料をやれば毎年、多収穫が望めます。春になったら剪定枝を差しあげます。ご希望の方はどうぞおい出下さい。